「ア…ニキ…、これじゃあアニキの顔が見えないよ…!」
 「見えなくとも、今お前に触れているのが誰なのか、分からないはずはないでしょう…? ほら…」
 「…っ、あ!」

 強く握られたり、緩く撫でられたり。
 昇らされてから突き落とされるような強弱のついたその動きは、間違いなく霧人のそれだ。
 嫌というほど身体に馴染んだ快楽の波が、今は見えないはずの兄の面影を眼裏に呼び起こし、響也の欲に火を灯す。

 「それともお前は、相手が誰かも分からないのに、こんなにはしたない反応を見せるのですか?」
 「ちが…そ、んな事…!」
 「ならば何も問題はないでしょう?」



文:瀬尾さん
絵:凪

090317


文章を頂いてから、絵を描きました。 うっかり萌え過ぎてつい動かしてしまったら大変なことに→重いよ…!