五巻  幸村のひげ

「ゆるりと身体をやすめてまいったか?」
と、佐平次を迎えた真田幸村が言った。
「はい、長らく、お側をはなれ、申しわけもありませなんだ」
「よいわ、これよりは忙しゅうなる」
「はい」










「殿下が、な…」
「はぁ……?」
「殿下が、おれに、髭をたくわえよ、とおおせあったのだ」


余計なことを言うな!!!