三巻  源三郎信幸と昌幸


「父上、名胡桃は何としても、わたさぬことにいたしましょう」
「おお…。お前もそうおもうてくれるか」

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「ち、父上…」
「信幸…」
たがいに呼びかけ、熱っぽい目と目を見合わしたが、その瞬間、安房守昌幸は 照れくさそうに信幸の腕をつかんでいた両手をはなし、
「うむ……うむ、うむ…」
自分でもわけのわからぬうなずきをくり返しながら、もそもそと臥床にもどり、身を横たえた。

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信幸が嫁をもらうことになったあとの親子の会話シーンですが…

なんていいましょうか〜このふたり〜可愛すぎるんですけど〜(笑)
今までお互いに一線引いてた感があったのが、
この瞬間にひとつになって和解、みたいな。