三巻 源三郎信幸と昌幸 「父上、名胡桃は何としても、わたさぬことにいたしましょう」 「おお…。お前もそうおもうてくれるか」 ----------- 「ち、父上…」 「信幸…」 たがいに呼びかけ、熱っぽい目と目を見合わしたが、その瞬間、安房守昌幸は 照れくさそうに信幸の腕をつかんでいた両手をはなし、 「うむ……うむ、うむ…」 自分でもわけのわからぬうなずきをくり返しながら、もそもそと臥床にもどり、身を横たえた。 ----------------------------- 信幸が嫁をもらうことになったあとの親子の会話シーンですが… なんていいましょうか〜このふたり〜可愛すぎるんですけど〜(笑) 今までお互いに一線引いてた感があったのが、 この瞬間にひとつになって和解、みたいな。 |